「リチャードジノリ（Richard Ginori）」は、1735年創業のイタリア・フィレンツェに本拠を置く名窯で、約300年の歴史を誇ります。その価値は、シリーズや製造年代、デザインによって大きく変わります。
■ 高値で取引される代表的なシリーズ
- ベッキオホワイト（Vecchio Bianco）
繊細なレリーフ模様が特徴で、19世紀に発表されて以来、現在でも高い人気を誇ります。特に、廃盤となった「青い縁取りのベッキオホワイト」や、装飾が施された「ヴェッキオエナメル」は市場でも高額査定が期待できます。 - フィレンツェの薔薇（Rosa Fiorentina）
薔薇の花をあしらったこのシリーズは、各アイテムが手描きで、非常に繊細なデザインが特徴です。特に1940年代以前の製品は、製造数が限られているため、コレクター間で高い需要があります。 - カテナコレクション（Catena Collection）
リチャードジノリの中でも特別なシリーズで、特に金彩やプラチナのチェーン装飾が施されたカテナコレクションは、1点数十万円で取引されることもあります。 - リミテッドエディション（Limited Edition）シリーズ
特別なイベントや記念年に制作されたリミテッドエディションシリーズも見逃せません。これらは、製造数が極めて少なく、バックスタンプに製造年やエディションナンバーが明記されています。
■ 知っておくべき専門用語と刻印の違い
リチャードジノリを見分ける際には、バックスタンプ（刻印）や特定の用語を理解することが重要です。
- 「ドッチア印（Doccia Mark）」
初期のリチャードジノリに見られるマークで、18世紀〜19世紀の作品に付けられています。特に、「ドッチア」の表記があるものは初期作品の証であり、オークションではプレミアム価格が付きやすいです。 - 「グランデューカ（Grandeuca）」
豪華な金彩が施されたシリーズ名で、希少価値が非常に高いです。市場でも1点あたり20万円以上の査定額が期待されることもあります。 - 「ジュエルコレクション（Jewel Collection）」
限定生産であり、宝石を模した装飾が特徴のシリーズ。コレクターに人気が高く、完全美品であれば100万円以上の取引も可能です。
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