双兎置物の価値を左右する専門的要素
- 作家銘（さっかめい）
作家銘は、双兎置物の価値を決定する重要なポイントです。たとえば、江戸後期の「仁清（にんせい）」や「乾山（けんざん）」の流れを汲む作家のものは、骨董市場で高値がつくことが一般的です。特に人間国宝の作品であれば、その価値は時代を超えて高騰します。 - 窯印（よういん）と共箱
窯元の印章や刻印が入った双兎置物は、その出自を証明する大切な要素です。また、「共箱（ともばこ）」と呼ばれる、作家が署名を入れた木箱が付属している場合、真贋の信頼性が高まり、評価額も上昇します。 - 技法と装飾
- 釉薬（ゆうやく）: 京焼や清水焼では、独特な釉薬の使い方が美術的価値を高めます。たとえば「天目釉」や「飴釉（あめゆう）」の双兎置物は、独自の風合いが評価されます。
- 彫金技法: 金属製の双兎置物には、鍛金（たんきん）や象嵌（ぞうがん）技法が用いられている場合があり、これらの作品は特に希少です。
- 意匠とテーマ性
双兎置物に描かれた文様や意匠は価値に大きく影響します。「満月に兎」のモチーフや、「松竹梅」の組み合わせは縁起が良く、コレクターからの需要が高いデザインです。 - 経年変化と風合い
一見すると「汚れ」や「ひび」と思える部分でも、特定の陶器には「貫入（かんにゅう）」と呼ばれる経年による美しいひび模様があり、それが独自の価値を生み出します。貫入が均一である場合、芸術品としての評価が上がることも。
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